Pマークの取得費用はいくら?2026年10月改定後の料金と内訳

Pマークを新しく取る費用は、2026年10月1日からの料金で、小規模の会社なら税込336,600円です。中規模は690,800円、大規模は1,382,700円で、2年ごとの更新にも費用がかかります。

料金の内訳と改定前との差、自社がどの規模に当たるかの決め方、いつ誰に払うのか、料金表のほかにかかるもの、更新を含めた4年間の総額、補助と経理での扱いまでを順に説明します。との違いやどちらを取るべきかは、ISMSとPマークの違いで扱っています。

Pマークの取得費用はいくら?規模別の内訳

費用は申請料・審査料・付与登録料の3つで、申請料は規模によらず57,200円、審査料と付与登録料は規模で変わります。2026年10月1日から当たる新規の料金(消費税10%込)は、次のとおりです[2]。

費用小規模中規模大規模
申請料57,200円57,200円57,200円
審査料226,600円518,100円1,094,500円
付与登録料52,800円115,500円231,000円
合計336,600円690,800円1,382,700円

3つの費用は、それぞれ次のような中身です。

  • 申請料は、審査を申し込むときの費用です。審査の結果にかかわらず必要で、最初の形式審査で受理されなかった場合も返ってきません[2]
  • 審査料は、原則2名の審査チームが行う文書審査・現地審査・改善内容の確認審査・審査報告にかかる工数の費用です。こちらも審査の結果にかかわらず必要です
  • 付与登録料は、審査に通って「付与適格決定」を受けたあとに払う費用で、有効期間2年分をまとめて納めます

文書審査では、会社の個人情報保護マネジメントシステム(PMS。個人情報を守る社内の仕組みと規程)の文書が基準に合っているかを見ます。現地審査では、審査員が実際に会社を訪れ、文書どおりに個人情報が扱われているかを確かめます。

例えば、従業者15人の製造業の会社なら小規模に当たり、新規の費用は合計336,600円です。審査に落ちても申請料と審査料は戻らないため、予算は「審査を受けるための費用」と「取れたあとの2年分の登録料」に分けて考えるとわかりやすくなります。料金はJIPDEC(Pマークの付与機関)の料金表でも確かめられます。

2026年10月の料金改定で何が変わった?

2026年10月1日以降に申請した分から新しい料金になり、新規の合計は小規模で22,312円、中規模で62,227円、大規模で125,556円上がりました。改定前(2026年9月30日まで)と改定後の合計(いずれも税込)と、その差は次のとおりです[1][2]。

区分規模改定前改定後差
新規小規模314,288円336,600円+22,312円
新規中規模628,573円690,800円+62,227円
新規大規模1,257,144円1,382,700円+125,556円
更新小規模230,478円244,200円+13,722円
更新中規模471,430円518,100円+46,670円
更新大規模942,858円1,037,300円+94,442円

改定の対象は、申請料・審査料・付与登録料と、あとで説明する再現地審査料です。どちらの料金になるかは「申請日」で決まり、申請日が2026年9月30日以前なら、あとから払う審査料や付与登録料も含めてすべて旧料金、10月1日以降なら新料金です[1]。

申請日の数え方は、申請の方法で次のように違います。

  • オンライン: データを送信した日
  • 郵送: 消印の日
  • 宅配便: 受付印の日
  • 持参: 窓口に出した日

JIPDEC以外の審査機関に電子申請した場合の申請日は、その審査機関に確かめる必要があります。

料金は2004年から据え置かれてきましたが、平均賃金が上がる中で審査員の報酬も実質的に据え置かれてきたことや、物価、とりわけシステム関連の経費の上昇を受けて、今回の改定になりました[1]。

自社はどの規模?区分の決め方

規模は、登記された資本金(または出資の総額)・従業者数・業種の3つで決まります。株式会社や合同会社など、資本金の登記がある会社の区分は次のとおりです[3]。

業種小規模中規模大規模
製造業・その他2〜20人3億円以下 または 21〜300人3億円超 かつ 301人〜
卸売業2〜5人1億円以下 または 6〜100人1億円超 かつ 101人〜
小売業2〜5人5千万円以下 または 6〜50人5千万円超 かつ 51人〜
サービス業2〜5人5千万円以下 または 6〜100人5千万円超 かつ 101人〜

読むときの落とし穴は「または」と「かつ」です。小規模は従業者数だけで決まります。小規模の人数を超える会社のうち、「資本金が基準以下」か「従業者数が範囲内」のどちらかに当たれば中規模で、大規模になるのは「資本金が基準超」と「従業者数が範囲超」の両方に当たるときだけです。JIPDECの例では、製造業・その他で資本金2億円・従業者400人の会社は中規模、資本金4億円・従業者10人の会社は小規模になります[3]。

従業者には、正社員だけでなく、契約社員・パート・アルバイト・役員・受け入れている派遣社員や出向社員なども入ります[3]。役員は常勤・非常勤を問わず、登記事項証明書などに載っている全員が数に入ります。この従業者の数え方は、中小企業基本法でいう「従業員」とは違います。例えば、正社員8人、パート10人、役員3人のサービス業の会社は、従業者21人として数えます。

業種と法人の形にも、次の決まりがあります。

  • 「製造業・その他」には、卸売業・小売業(飲食店を含む)・サービス業を除くすべての業種が入る(建設業・運輸・不動産業など)
  • 複数の事業をしている会社は、売上高がいちばん高い事業の業種になる
  • 一般社団法人や士業の法人など、資本金の登記がない法人は、従業者数と業種だけで決まる
  • 登録型派遣を行う会社の派遣スタッフは、規模の判定の人数に入れない

なお、申請するには、社会保険・労働保険に加入した正社員か、登記上の役員(監査役を除く)が2名以上いる必要があります[7]。くわしくはJIPDECの事業者規模の区分で確かめられます。

いつ・誰に払う?支払いの流れ

費用は一度にではなく、申請料・審査料・付与登録料を、それぞれの請求を受けて原則として別々の時期に払います。払う先と時期は次のとおりです[2]。

費用払う先時期
申請料審査機関(JIPDECを含む)申請書類の受付後
審査料審査機関(JIPDECを含む)現地審査の終了後
付与登録料JIPDEC付与適格決定の通知後
Pマークの費用を払う流れの図。新規・小規模の例で、申請書類の受付後に申請料57,200円を審査機関へ、現地審査の終了後に審査料226,600円を審査機関へ、付与適格決定の通知後に付与登録料52,800円(2年分)をJIPDECへ払い、合計は336,600円(税込)。
支払いの流れ(新規・小規模の例。2026年10月1日からの料金、税込)

申請料と審査料の支払いの時期は、審査機関によって違う場合があります。また、申請料の振込みが確かめられてから審査の手続きが始まります[2]。申請先はJIPDECか19の指定審査機関のどこかで、業種や本社の所在地によって決まります[10]。

準備から取得までは、おおむね6か月〜1年かかります[6]。申請の前に、計画・実施・点検・改善のサイクル(PDCA)を少なくとも1回は回しておく必要があり、体制を整えて規程を作っただけでは申請できません[5]。

そのため、予算は「準備の期間(社内の時間がかかる)→ 申請料 → 審査料 → 付与登録料」の順に、半年から1年ほどに散らばるものとして立てましょう。決算期をまたぐ場合は、どの費用がどの期に入るかも見ておくと、あとで説明する経理の扱いと合わせやすくなります。

料金表のほかにかかる費用

料金表の金額のほかに、現地審査の交通費・宿泊費と、社内の準備にかかる費用があります。現地審査の交通費・宿泊費などは、審査を担当した機関の規程にもとづいて別に請求されます[2]。

現地審査の標準時間の目安は5〜8時間です。事業所が分散している会社や、扱う個人情報の種類が多い会社などで標準時間を超えるときは、事前に協議して現地審査の時間と料金を決めます[2]。

また、現地審査のあとに事業内容や体制が大きく変わったときなどは、必要に応じて現地審査をもう一度行い、調査費が請求されます。この再現地審査の料金は、基本料金57,200円に、1人1時間23,100円×審査時間×審査人数を足した額で、宿泊費・旅費・移動時間の費用は別です[4]。審査中に組織変更や移転を予定している会社は、時期を見ておきましょう。

社内の準備では、規程を作るだけでなく、PMSを運用した記録を申請時に出す必要があります。規程づくり、社員への教育、内部監査などに担当者の時間がかかるため、その分も費用として見込んでおきましょう。

取得支援会社やコンサルタントに頼む費用は、頼む範囲、会社の規模、今の社内の体制で変わるため、この記事では目安を載せていません。見積りを取るときは、申請料・審査料・付与登録料が見積りに含まれているのか、別に払うのかを確かめると、総額を比べやすくなります。

2年ごとの更新費用

有効期間は2年で、続けるには2年ごとに更新の審査を受け、更新の費用を払います。更新の料金は、申請料は新規と同じ57,200円、付与登録料も新規と同じで、審査料だけが新規より低くなっています[2]。更新申請は、有効期間が満了する日の8か月前の日から4か月前の日までに行います[8]。

新規・更新と、新規に1回目の更新を足した4年間の合計(いずれも税込)は次のとおりです[2]。

規模新規更新4年間の合計
小規模336,600円244,200円580,800円
中規模690,800円518,100円1,208,900円
大規模1,382,700円1,037,300円2,420,000円

4年間の合計には、現地審査の交通費・宿泊費や社内の準備の費用は入っていません。例えば、有効期間が12月1日に満了する場合、更新の申請は同じ年の4月2日から8月1日までになります。取ったあとも2年ごとに費用と審査が来るため、初年度だけでなく、更新の年の予算にも入れておきましょう。

費用の負担を軽くする方法

一部の自治体に、中小企業のPマークの取得費用を補助・助成する制度があります。JIPDECの新規申請をお考えの方へのご案内に東京都の区などの例が載っており、載っていない地域は最寄りの自治体に確かめる必要があります[5]。制度の名前や金額、募集の期間は自治体と年で変わるため、自分の地域で探すときは自分の地域の制度を探す方法を参考にしてください。

JIPDECは、Pマークの取得や運用の相談を無料で受ける「プライバシーマーク:事業者のための取得・運用相談室」を開いており、新規申請を目指す事業者向けのセミナーも随時行っています[5]。支援会社に頼む前に、何を自社でできるかを確かめる場として使えます。

経理ではどう扱う?(税務)

国税庁の質疑応答事例では、申請料と審査料等はその事業年度の損金にしてよく、付与登録料(事例では「プライバシーマーク使用料」)は償却期間2年の繰延資産として扱うと整理しています[9]。

もう少しくわしく見ると、国税庁の質疑応答事例の整理は次のとおりです。

  • 申請料: 支払日の属する事業年度の損金
  • 審査料等(現地調査の交通費・宿泊費等を含む): 請求書を受け取った日の属する事業年度の損金
  • 使用料: 繰延資産。ただし20万円未満なら、支払った事業年度の損金にできる
  • 更新の費用: 新規と同じ扱い

この事例は2025年8月1日時点の法令・通達にもとづくもので、事例の中の使用料の金額(小規模5万円・中規模10万円・大規模20万円)は今の料金表とは違います。また、具体的な取引では違う課税関係になることがあると注記されています[9]。今の料金で自社がどう処理するかは、国税庁の質疑応答事例を添えて、顧問の税理士に確かめましょう。

取るか決める前に確かめること

費用を出す前に、取引先が本当にPマークを求めているのか、ほかの形で足りるのかを確かめましょう。新規と1回目の更新で、小規模でも4年間に58万円あまりかかるため、取る理由がはっきりしているほど判断しやすくなります。

とPマークのどちらが要るかは、決め方の3つの問いで整理できます。取引先に求められてもすぐには取れない場合は、すぐには取れないときの答え方を参考にしてください。取引先から届いたセキュリティのチェックシートで聞かれているだけなら、回答の作り方の6つの手順で今の取り組みを伝えられることもあります。

中小企業が今日やること

よくある質問

審査に通らなかったら、払った費用は戻りますか?

戻りません。申請料と審査料は、審査の結果にかかわらず必要です。申請料は、形式審査で受理されなかった場合も返ってきません。付与登録料は、付与適格決定を受けたあとに払うものです。

2026年9月中に申請した会社は、どちらの料金になりますか?

申請日が2026年9月30日以前なら、申請料・審査料・付与登録料・再現地審査料のすべてが旧料金です。郵送なら消印の日、JIPDECへのオンライン申請なら送信した日が申請日になります。JIPDEC以外の審査機関に電子申請した場合は、その審査機関に確かめてください。

1人の会社でも取れますか?

取れません。社会保険・労働保険に加入した正社員か、登記上の役員(監査役を除く)が2名以上いることが申請の条件です。個人情報保護管理者と個人情報保護監査責任者を1名ずつ置く必要があるためです。

審査機関によって料金は違いますか?

料金の金額は、この記事の表のとおりJIPDECの料金表に載っています。申請料と審査料は申請した審査機関に、付与登録料はJIPDECに払い、申請料と審査料の支払いの時期は審査機関で違う場合があります。申請先は自由に選ぶのではなく、業種や本社の所在地で決まります[10]。

更新の申請を忘れそうです。いつ確かめればいいですか?

更新申請の期間は、有効期間が満了する日の8か月前の日から4か月前の日までです。有効期間は、JIPDECから届いたプライバシーマーク登録証に書かれています。取得したら、登録証の満了日から逆算して、申請の期間を予定表に入れておきましょう。

出典

  1. 料金改定のお知らせ(2026年10月より)(JIPDEC) 2026年10月18日確認
  2. 費用(料金表 2026年10月1日適用)(JIPDEC) 2026年10月18日確認
  3. 事業者規模の区分(JIPDEC) 2026年10月18日確認
  4. 再現地審査(JIPDEC) 2026年10月18日確認
  5. 新規申請をお考えの方へのご案内(JIPDEC) 2026年10月17日確認
  6. プライバシーマークとは(JIPDEC) 2026年10月17日確認
  7. 申請資格(JIPDEC) 2026年10月17日確認
  8. 更新申請方法(JIPDEC) 2026年10月17日確認
  9. 質疑応答事例「『プライバシーマーク』の使用許諾を受けるまでの費用等の税務上の取扱いについて」(国税庁) 2026年10月18日確認
  10. 新規申請方法(JIPDEC) 2026年10月17日確認

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