【速報】ニッポンレンタカーに不正アクセス 会員41名、免許証情報も閲覧のおそれ

ニッポンレンタカーは9月26日、「ニッポンレンタカーアプリ」のシステムに第三者による不正アクセスがあり、会員41名の情報が不正に閲覧されたおそれがあると公表しました[1]。運転免許証の情報を登録していた会員は、免許証番号・住所・生年月日も対象です。前日の9月25日には、カーシェアのタイムズカーが不正アクセスの第1報を出し、9月28日の第2報で約660万件の漏えいを公表しています[2][3]。

タイムズカーに続いてレンタカー会社でも、と知り、免許証の情報がどうなったのか気になった人も多いはずです。

公表の中身と、タイムズカーとの違い、レンタカー会社が免許証の情報を持つわけ、不正アクセスによる漏えいなら小さくても報告が要る決まりを順に見ていきます。

何が起きたか

ニッポンレンタカーのアプリで、会員の情報が第三者に見られたおそれがあります。ニッポンレンタカーは9月26日、同社が運営する「ニッポンレンタカーアプリ」のシステムに第三者による不正アクセスがあり、会員の情報が不正に閲覧されたおそれがあることを確認したと公表しました。確認のあと、すぐに必要な措置をとったとしています。

対象の会員41名には、登録のメールアドレスあてに個別に連絡し、パスワードの再設定を求めています。案内のメールが届いていない会員は、今のところ情報が閲覧されたおそれは確認されていません[1]。問い合わせは、お客様サポート窓口がメールで受け付けています。心当たりのある人は、ニッポンレンタカーのお知らせで窓口を確かめてください。

閲覧されたおそれのある情報

閲覧されたおそれのある情報は、会員が何を登録していたかで違います。9月26日の公表では、次のとおりです[1]。

対象閲覧されたおそれのある情報
対象の会員41名すべて氏名、電話番号、メールアドレス、ログインID、利用履歴、予約情報
運転免許証情報・クレジットカード番号・名義人名を登録していた会員上に加えて、運転免許証情報(免許証番号、住所、生年月日)、クレジットカード番号の下4桁、名義人名

クレジットカードは番号の下4桁と名義人名で、番号の全部ではありません。41名のうち、何名が免許証情報やカードを登録していたかは公表されていません。また、パスワードは閲覧されたおそれのある情報の一覧に入っていません。

運転免許証の番号は、個人情報保護法の施行令で「個人識別符号」の1つに挙げられています[10]。本人申告など、心配な人ができることはタイムズカーの記事にまとめています。

原因と、今後の公表

原因は、まだ公表されていません。ニッポンレンタカーは原因の究明と再発防止に取り組み、調査を続けて、新たな事実がわかったら速やかに知らせる予定です[1]。9月26日の公表でわかっていることと、まだ公表されていないことを並べると、次のようになります。

わかっていることまだ公表されていないこと
アプリのシステムへの第三者による不正アクセスどのように入られたか
対象は会員41名41名のうち、免許証情報やカードを登録していた人数
対象の会員に個別に連絡し、パスワードの再設定を依頼いつ起き、いつ気づいたか
個人情報保護委員会へ報告し、警察に相談再発防止策

続報が出たら、この記事に追記します。

同じ週のタイムズカーとどう違うか

2つの事件の関連は公表されていません。どちらもレンタカー・カーシェアの会員サービスへの不正アクセスで、同じ週に公表されましたが、規模も漏れた中身も違います。ニッポンレンタカーの9月26日の公表と、タイムズカーの9月28日の第2報を並べると、次のとおりです[1][2]。

項目ニッポンレンタカータイムズカー
公表9月26日9月25日に第1報、9月28日に第2報
不正アクセスを受けたものアプリのシステムWebシステム
規模会員41名(閲覧されたおそれ)約660万件(第三者に取得されたことを確認)
免許証免許証番号・住所・生年月日(登録していた会員)運転免許情報と、運転免許証の画像などの本人確認書類情報
クレジットカード番号の下4桁・名義人名(登録していた会員)漏えいしていないことを確認
パスワード対象の会員に再設定を依頼(閲覧されたおそれのある情報の一覧にはない)漏えいした情報に含まれるが、復元できない形式で保管
報告個人情報保護委員会へ報告し、警察に相談個人情報保護委員会と警察へ報告

どちらも免許証の情報を預かるサービスで、漏れた中身はどちらも人によって違います。ニッポンレンタカーは、会員が何を登録していたかで分かれます。規模の差は大きく、タイムズカーでは免許証の画像などの本人確認書類の情報も含まれました。タイムズカーで漏えいした情報の詳しい中身は、タイムズカーの記事で説明しています。

9月29日には、セイコーマートも、アプリのサーバーを経由した不正アクセスで会員情報が漏えいした可能性があると公表しました。不正アクセスを受けた可能性のあるアカウントは約57万です[6]。この数日に続いた会員サービスへの不正アクセスは、セイコーマートの記事で一覧にしています。

レンタカー会社が免許証の情報を預かるわけ

レンタカー会社が免許証の情報を持つ理由の1つは、国の通達が、許可に付ける条件の例として、貸した記録に運転者の免許証の番号を書くことを挙げているためです。アプリで非対面で借りるときにも、免許証を登録します。

道路運送法第80条により、自家用の自動車を業として有償で貸すには、国土交通大臣の許可が要ります[8]。国土交通省の通達(レンタカーの許可の取り扱い)では、許可に付ける条件の例として、貸渡簿(貸した記録)を備え、貸渡しの終了日から2年間保存することを挙げています。貸渡簿と、借りる人に渡す貸渡証に書く事項には、「運転者の氏名、住所、運転免許の種類及び運転免許証の番号」が入っています[7]。これは法律の条文ではなく、国が許可の扱いを示した通達です。

ニッポンレンタカーの貸渡約款も、この通達にもとづいて、契約のときに運転者の免許証の提示を求めるほか、写しの提出を求めることがあると定めています[9]。

アプリには、店のカウンターを通らずに借りる「セルフレンタカー」を使うための本人認証の手続きがあります。オンラインの本人確認サービスで顔写真と運転免許証を撮影し、アプリに免許証を登録する流れです[11]。

過去のレンタカー・カーシェアの漏えい

レンタカーやカーシェアの漏えいは、過去にもあります。各社の公式の発表で確かめた事案は、次のとおりです[12][13][14][15][16]。なお、ニッポンレンタカーの2026年4月と2019年11月の件は、今回とは別の事案です。

公表会社・サービス何が起きたか件数免許証の情報
2026年4月ニッポンレンタカー(カーシェアの会員)コールセンター業務の再委託先のサーバーが、ランサムウェア型のを受けた公表なし再委託先のシステムに保存できない仕組みで、漏えいした可能性はないとの報告を受けている
2024年9月日産 e-シェアモビ運用システムに不正にログインし、車両を利用していた公表なし運転免許証番号・保有区分・交付年月日・有効期限などを閲覧した可能性を、完全に否定することは難しい
2021年1月Anyca(カーシェア。カスタマーサポートを受託したディー・エヌ・エー)元従業員が個人情報を持ち出した8名分(可能性が高い1名を含む)運転免許証などの本人確認書類の画像を含む(持ち出された情報は人によって異なる)
2020年12月駅レンタカー(駅レンタカーシステム)Webサイトへの不正アクセスメールアドレス253,979件免許証番号の流出はなかった
2019年11月ニッポンレンタカーメール対応のパソコン1台がウイルスに感染し、客の情報が流出した可能性を調査公表なし記載なし

並べてわかること

1つ目は、件数が小さくても、悪用が起きた例があることです。Anycaでは、持ち出された8名分のうち6名分で、カードローンの不正な申し込みが確認されました。ただし最終的な登録には至らず、金銭的な被害は2021年1月21日の時点で確認されていません[14]。元従業員による持ち出しで、今回の不正アクセスとは起き方が違います。

2つ目は、漏れる中身は、攻撃されたシステムに何を置いていたかで変わることです。駅レンタカーの件では、メールアドレスは流出しましたが、免許証番号の流出はありませんでした[13]。ニッポンレンタカーの2026年4月の件は、再委託先のシステムに免許証情報を保存できない仕組みだったため、漏えいした可能性はないと報告を受けています[15]。e-シェアモビも、不正ログインされた運用システムにカード情報やパスワードを置いていませんでした[12]。今回のアプリの件では、免許証情報を登録していた会員は、番号・住所・生年月日も対象になりました。

41名でも、報告の対象になる

漏えいの報告の多くは、1,000人以下の事案です。個人情報保護委員会が2025年4月〜2026年3月に処理した、民間の事業者などからの漏えいの報告は17,139件で、そのうち1件あたりの人数が1,000人以下のものが16,043件(93.6%)でした。報告のうち22.3%は、不正アクセスなど、不正の目的をもって行われたおそれのある漏えいです[4]。

個人情報保護委員会は、不正アクセスなど不正の目的をもって行われたおそれがある漏えい(そのおそれを含む)を、報告が必要な場合の1つに挙げています。本人の数が1,000人を超える漏えいは、これとは別の項目です。報告の期限は、発覚したらまず速やかに、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内です[5]。ニッポンレンタカーも、41名の件を法令にもとづいて個人情報保護委員会に報告しています[1]。

自社に置き換えると、会員サイトやアプリへの不正アクセスで数十人分の情報が見られたおそれがあるだけでも、報告の対象になりえます。気づいてから慌てないように、誰がどこに報告するか、本人にどう連絡するかを先に決めておきましょう。経営者が決めておくことは、中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインの解説にまとめています。

出典

  1. NRアプリへの不正アクセスによる会員情報漏えいに関するお詫びとお知らせ(ニッポンレンタカーサービス) 2026年9月29日確認
  2. 「タイムズカーWebサイト」への不正アクセスに関する調査結果および今後の対応について(第2報)(タイムズカー) 2026年9月29日確認
  3. 「タイムズカーWebサイト」への不正アクセスによる個人情報漏えいの可能性について(第1報)※追記あり(タイムズカー) 2026年9月29日確認
  4. 令和7年度個人情報保護委員会 年次報告(個人情報保護委員会) 2026年9月29日確認
  5. 漏えい等報告について(個人情報保護委員会) 2026年9月29日確認
  6. 「セイコーマートアプリ」への不正アクセスによる個人情報流出の可能性に関するお詫びとお知らせ(セイコーマート) 2026年10月1日確認
  7. 貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて(自旅第138号、最終改正 令和4年5月31日)(国土交通省 自動車局長) 2026年9月29日確認
  8. 道路運送法 第80条(e-Gov法令検索) 2026年9月29日確認
  9. 貸渡約款(ニッポンレンタカーサービス) 2026年9月29日確認
  10. 個人情報の保護に関する法律施行令 第1条(e-Gov法令検索) 2026年9月29日確認
  11. セルフレンタカーご利用方法(ニッポンレンタカーサービス) 2026年9月29日確認
  12. NISSAN e-シェアモビ 不正ログインによる個人情報漏えいのお詫びとご報告(2024年9月2日。公式ページの保存版)(日産自動車) 2026年9月29日確認
  13. 不正アクセスによるお客さまメールアドレス流出のお知らせとお詫びについて(2020年12月18日。公式ページの保存版)(駅レンタカーシステム) 2026年9月29日確認
  14. 当社元従業員による不正行為について(2021年1月21日)(ディー・エヌ・エー) 2026年9月29日確認
  15. カーシェアリングサービスをご利用のお客さま:業務委託先に対する不正アクセスによる個人データ漏えいの可能性について(2026年4月17日、7月3日更新)(ニッポンレンタカーサービス) 2026年9月29日確認
  16. パソコンのウイルス感染による情報流出の可能性に関するお知らせとお詫び(2019年11月5日。公式ページの保存版)(ニッポンレンタカーサービス) 2026年9月29日確認

改訂履歴

  • セイコーマートの公表へのリンクが誤っていて開けなかったので、公式のURLに直した
  • 公開(9月26日の公表までの内容)

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